石造りの家々と細い路地が続く南フランスのエズ村には、訪れる人を惹きつける独特の美しさがあります。この村に暮らすパリ出身の画家を知ったのは、あるトークショーがきっかけでした。
今回はコロナ以前に参加したトークショーを振り返りながら、エズ村で画家として生きる日々の真摯な姿や、その作品の世界をご紹介します。
パリ出身の画家が暮らすエズ村とは?
緑の香る季節、南フランスの小さな村・Éze(エズ)から来たフランス人アーティストを迎えてのトークショーが開かれました。主催者は「魔法の質問」の著者、マツダミヒロさんと奥様のワカナさん。アーティストはBarbara Blanche(バーバラ・ブロンシュ)さん。

Éze(エズ)はフランス南東部コート・ダジュールの街。ニースとモナコの間にある小さな村、通称’鷹の巣村’。ヨーロッパの美しい村30選にも選ばれています。崖の上にお城がそびえ立つ、まるで中世の世界。
バーバラさんはパリ生まれ。20代の頃に訪れたエズで出会った旦那様とご結婚されてから現在までエズにアトリエを構えて活動されています。まさに運命的ですね。

左から、マツダミヒロさん、ワカナさん、バーバラさん、通訳の方
エズは地中海に面した山の中。14世紀からのお城や家が建ち並びます。車もない小さな街で俗世からかけ離れたような特別な時間の流れる場所。アーティストに好まれる静かな空間。
今は多くの観光客が訪れ、村の天辺までの細い道を行き交います。天辺からは360度の水平線が見渡せるそう。朝晩は静けさを取り戻して本当のエズの音や香りを感じることができるとバーバラさんは教えてくれました。
マツダミヒロさん・ワカナさんはご夫婦で多くの国を訪れていますが(ポットキャストの’ライフトラベラーカフェ’が人気)エズについては同じような場所が他にないとのご感想でした。その旅の途中でバーバラさんの絵に出会いインスピレーションを得たり癒されたりと惹かれていったのだそうです。

エズ村で生み出される作品
バーバラさんの絵はエズの自然から生み出されます。命を持っているものを絵に組み込んでいきます。この世の中の全てがインスピレーション。そのインスピレーションは一瞬の小さなもの。どんな色を使って表現しよう?と本能的に選んでいます。出来上がりは最初からわかっていて、後から色を選び直すことはないそうです。
人間にとって一番古いシンボルである「木」。木は人間にとってなくてはならないもの。その木で四季を表現した作品が印象的でした。
原画は立体的。これはバーバラさん独自の手法。バーバラさんご自身のことばを絵に語らせているとのこと。絵に囲まれた会場にいると自然の中にいるようでとても気持ち良く感じました。人は自然に生かされいることを改めて実感。

絵を描くうえで大切にしていること
「アーティストはふわふわしたものではなく、本当に真面目に職人のように仕事をしています。絵には私の全てのエネルギーが込められているけれど、作品を生み出すにはものすごくエネルギーが必要」とバーバラさん。
「アーティストとして最上の美しさを届けるのが義務だから、そのために自分らしくいることは大事。だから自分の調子が最高でなかったら画材を取らない」ともおっしゃっていました。
「アーティストとして探求することは続いていくけれど、その過程でもこうして世界中に絵を観てくれる方が増えてくれること、絵を買ってくださることに本当に感謝している」とバーバラさん。お話を聴いていて、とても良いエネルギーが循環していると感じました。
最後に、マツダミヒロさんの「フランス人は毎日クロワッサンを食べているのか?」の質問に対して、「NO!いい物ばかり食べ続けたらいい物ではなくなってしまう」というバーバラさんの回答に納得しつつ、笑いの渦でトークショーは幕を閉じました。
南フランス・エズの美しい風景の中で暮らし、日々絵と向き合うバーバラさん。トークショーで伺ったお話からは、エズの自然や、そこに流れる時間が彼女の作品に深く結びついていることが伝わってきました。いつか実際にエズの坂道を歩き、そこから見える景色を味わえる日を楽しみにしたいと思います。


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