フランス好きの原点 | F.O.B COOPで出会った憧れのライフスタイル

パリのカフェ フランス旅と文化のコラム

「どうしてそんなにフランスが好きなの?」そう聞かれるたびに思い出すお店があります。それが、かつて日本で多くの人に愛されたライフスタイルショップ「F.O.B COOP」です。

店内に一歩足を踏み入れると、そこにはフランスの日常を切り取ったような食器やリネン、カゴ、小物が並び、「こんな暮らしがあるんだ」と心が躍ったことを今でも覚えています。

現在は残念ながら閉店していますが、私にとってF.O.B COOPは、フランスという国に惹かれるきっかけをくれた特別な存在です。

この記事では、私がフランスに魅了されるようになった原点について綴ります。




 

F.O.B COOPとは?フランスの暮らしを日本へ届けた雑貨店

F.O.B COOPは、1981年広尾でオープンした輸入雑貨店。2015年に惜しまれつつ閉店するまで、雑貨の力によって日常に心の豊かさをもたらしてくれた、伝説のお店。

店名の「FOB」とは、貿易の国際取引条件の一つ、Free on Boardの略で本船渡しのこと。「COOP」は共同体を意味します。キリっとした凛々しい印象の店名に似合う、丈夫な食器を取り扱っていました。

オーナーの益永みつ枝さんが、欧米から輸入された雑貨が店内にずらりと並びます。シンプルで壊れにくく、洗練されたカッコイイ雑貨と言われて一番に思いつくものといえば、フランス生まれのブランド、DURALEX(デュラレックス)のグラスではないでしょうか?

当時日本で売られていた食器は、大量生産・大量消費のものが多く壊れやすい。逆に壊れにくいものは売れないし、儲からないから取り扱いが少ない。そんな中、やはり欲しいと思ったものは欧米のものが多く、直接現地で仕入れを開始します。

オープンから5年後には、雑貨店にカフェを併設。F.O.B COOPの白いコーヒーカップ&ソーサーやミルクピッチャーと過ごすカフェタイムは、遠いフランスを思い起こさせてくれる癒しのひとときでした。




雑貨だけではない、暮らしそのものを提案するお店だった

昔懐かしのティーン向けファッション誌、「MC Sister」のカルチャーコーナーで紹介された、益永みつ枝さんの記事は今でも大切にしています。当時中学生だった私が初めて知るフランス文化。その内容にグッと共感していました。

益永さんは、洋服は素敵に着飾っているけれどお家には無駄なものが沢山というチグハグさに違和感を感じ始めます。’よそ行きは立派’よりも、棚の中にしまってあるお客さん用のカップを毎日使いたい。洋服が大事ならコップも大事。つまり、日常茶飯事が大事!という熱い思いによりお店を始めます。

益永さんは何百年もその’日常茶飯事が大事’を当たり前にやっているフランスを目の当たりにします。そしてお店の方向性に確信をもち、大量生産、使い捨てによる経済成長とは逆の、丈夫で長持ちする、良い品質の生活雑貨を輸入し始めました。

人に生きる勇気を与えてくれる生活雑貨たち。物が人に与える影響を知っているからこその選択。

パリの朝食

益永さんがフランスの田舎のご家庭を訪れた際、5歳の男の子がテーブルセッティングをしてお花を飾っている姿を見て、勉強ばっかりしているのが普通という日本の状況はおかしい!と思ったそうです。

又、欧米の女性たちが生き生きと働く姿を見て、日本の女性たちにも元気に働いてもらいたいという願いを込めて、カフェスペースをお店に設置し始めます。「本当は日本人ってすごい素敵!みんなもっと生き生きときれいに働こうよ!」と。

『内面を磨く』という言葉の意味が少しわかり始めたきっかけになりました。

フランスに魅了される理由

「フランスが好き」と言うと聞かれるのが、「フランスのどこがそんなにいいの?」とか、「フランスでなければならない理由はあるの?」などのちょっと深い質問。好きに理由はないと言うけれど、なぜフランスなのか?

F.O.B COOPを通して感じたこと。自分のスタイルをもって、自分の好きなものに囲まれて、内面も輝いている。きっと人生が充実しているところに惹かれているのだと改めて実感しています。

ただフランス風を目指しているのではなく、じゃあ私たちはこのままでいいの?と益永さんはお店を通して問題提起されていたのですね。

パリの風景

 

F.O.B COOPの器が復刻!

F.O.B COOPファンには嬉しいお知らせです。なんとカフェで使われていたフランス APILCO(アピルコ)の食器デザインをオマージュした器が2024年より復刻しています。

有田焼のしっかりとした造りで、電子レンジや食洗機の使用も可能。お家で昔懐かしのアイテムとともに、カフェ時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

詳しくは南海通商さんの公式noteをご参照ください。

F.O.B COOPは閉店してしまいましたが、あのとき感じた「フランスの暮らしって素敵だな」という気持ちは、今も変わりません。

お店との出会いがあったからこそ、実際にフランスを訪れ、暮らしの魅力をこのブログで伝えたいと思うようになりました。

旅先で見つける古い器やリネン、街角の風景やカフェの時間。そのすべてが私にとってはF.O.B COOPから始まった憧れの続きです。

これからも、このブログを通してフランスの日常を少しずつお届けしていきます。フランスが好きな方や、いつか訪れてみたいと思っている方の小さなきっかけになれたら嬉しいです。

パリのカフェ

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