ますますパリが愛おしくなる映画『パリ・ジュテーム』

フランス映画

Hotel de ville (オテル ド ヴィル) 駅
を降りるとパリ市庁舎とその広場が広がる。

2024年パリオリンピックの装飾がされている
というので一目観に立ち寄った。

実物を目にして、歴史的建造物との
コラボレーションの

あまりのカッコよさに心をつかまれ
見惚れてしまう。

気付けば何枚も写真や動画を撮る
周りの人たちと共感している。

やっぱりここは芸術の都、パリ。

さかのぼること数か月前
パリ行きが決まると同僚からの一言で
必ず耳にする言葉「おフランス」

この「おフランス」という言葉には
優雅でオシャレな国
ファッショナブルな雰囲気など

少々 ‘ 夢の国 ‘ 的な要素が感じられるのを
否めない。

実際その側面は大いにあるのだから
無理もない。

そんな夢見心地な同僚の妄想を壊さないよう
苦笑いしながらも

決して 「おフランス」を否定しないでおこう。

私の初めてのパリもそんな ‘夢の国’ 的な
イメージを

日本でたっぷりと入手してのものだった。

実際、パリのイルミネーションはまるで
宝石のようだったし

シャンゼリゼ通りのカフェで過ごす人々は
輝いていて

思わずあの名曲『オーシャンゼリゼ ♪』を
口ずさみそうになった。

エッフェル塔や凱旋門を目の前にすると
感動で心が震えた。

がしかし、そんな観光地を通り過ぎ
普段の暮らしを垣間見ると
私たちと変わらない生活模様。

パリに短期アパートを借りて
‘暮らすように旅する’を体験したときのこと。

エレベーターのない3階にある部屋
木製の階段は今にも壊れそう・・・。

朝7時過ぎにはギシギシと階段を下りる音が
聞こえてくる。

パリのメトロはもっと現実へ引き戻される。
通勤時間帯はやはり混んでいるし

なんといっても慣れないうちは
鼻がひん曲がりそうになるほど
独特の匂いが・・・。

さらに落ち着かない壁の落書き。
「おフランス」とは程遠い・・・。

このギャップとフランス人の自己主張の強さに
パリへ憧れをもってやって来た日本人が精神的にやれれてしまい
『パリ症候群』という本まで出版された。

過剰なイメージばかりが先行して
がっかりされるのは残念過ぎる!

パリは非日常の夢を味わうアトラクション的な魅力を
大部分の観光客に魅せてくれるけれど
その反面、現実の生活をつい忘れさせてしまいがち。

そんなパリ各区域で巻き起こる夢と現実を
ユーモアとシリアスさを交えて垣間見せてくれる映画

『パリ ジュテーム (Paris je t’aime) 』は
パリ旅行の予習としてお勧め。

2006年のフランスの映画。
世界中の18人の監督による「愛」をテーマにした短編オムニバス映画である。
パリ20区のうち18の区を舞台に、1区につき約5分間の短編映画にしている。

ウィキペディアより

私個人的には、劇中の14区
(14e arrondissement )
アレキサンダー・ペイン監督の作品が
心に沁みた。

異国の地、パリに来て孤独を感じるも
パリを愛し始めていることに気付く主人公は

まるで自分を見ているかのように感じて
思わず映画館で涙したっけ。

20の区からなるパリの各界隈の
景色も見どころ。

それぞれの物語から
パリを客観的に観させてくれる。

パリも私たちと同じように
普段の生活の中で
様々な人生が繰り広げられている

ということを頭の片隅に置いておくことは

‘おフランス’な夢見心地さを残したまま
パリ旅行を味わうことに有効かもしれない。

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